最近、色々な企業の方とお話をすると『自動化をして業務を効率化』のような言葉をよく聞きます。
確かに単純作業や繰り返しの業務を自動化することで仕事を楽にすることができることもあります。しかし、やり方を間違えると余計な仕事が増えたり、業務が複雑になってしまうことも多々あります。
今回はITエンジニア視点で考える『業務の自動化』についてお話いたします。
ステップ1 : 不要な作業の洗い出し
業務を自動化する際に最初にしなければいけないことは、不要な作業を洗い出すことです。このステップを設けないで業務の自動化を行っても上手くいかないことが多いです。
不要な作業を仕分けする一番の大きな理由は『そもそもいらない仕事』を知ることです。会社中には『歴史的経緯』や『以前からこの方法だったから』という理由で改善もせず、ただ行っているだけの仕事が結構あります。
実は何の改善もしてこなかった仕事は既にやる意味がなくっている場合も多く、それらを自動化しよとすると複雑な処理に加えて、人間がやる作業まで多くなることが良くあります。
また、仕事のやり方を変えるだけで作業そのものがなくなれば自動化する必要すらありません。
自動化の検討を始めたのであれば、まずはいらない仕事を捨てて業務自体をスリム化する必要があります。
ステップその2 : 繰り返し行っている作業を見つけ出す
不要な仕事を失くしたあとは最適化された仕事だけが残っているはずです。
今度は最適化された仕事を分解していきます。分解する理由は細分化した作業の中で繰り返ししている内容を見つけ出すことです。
最適化された作業をすべて自動化するのはとても大変な作業です。上司などから『自動化をしろ!』と言われて失敗しやすい方は作業全体を自動化しようとすることが多いです。
もちろん全体を自動化できるのが一番良いですが、作業内容が多ければ全自動を実現するのは大変な時間がかかります。自動化の作業だけに集中できれば良いのですが、片手間で自動化を考えないといけない場合は大変な負担です。
しかし、一部分を切り出して自動化をするのは全体を自動化するよりもはるかに労力が少なくて済みます。また、繰り返し行っている作業ほど自動化しやすく、また効率が上がりやすいです。
ステップその3 : 道具を考える
自動化する部分を決めたら最後に道具を考えましょう。
『自動化』と聞くと『プログラミング』と考える方はたくさんいらっしゃいます。確かにプログラミングで自動化を行うのは様々なことに対応が可能ですし、応用も可能です。しかし、プログラミング以外のツールを使って自動化をすることも可能です。
プログラミング以外の自動化の例)
- エクセルを使った自動集計
- メールのテンプレートを作る
例えば毎月の合計残業時間を集計する必要があったとします。毎日毎日勤務時間を付けて、そこから残業時間を割り出すことを手書きでやっていたとしましょう。これらをエクセルで作った表に日々の労働時間を記載するだけで月末には総残業時間が計算出来てしまうシートを作れば立派な自動化の完成です。
メールも毎回、毎回同じような文脈で返事をしているのであれば変更する部分のみ空白にしたテンプレートを作成、必要な部分だけ書き換えて本文に貼り付ければ立派に時短となります。
もちろん専用のツールがあったり、パッケージのソフトを購入することを検討するのも良いでしょう。しかし、お金をかけた自動化ツールは導入までに時間がかかり、使い方を覚えるのにもやはり時間が掛かってしまう点に注意しましょう。
お手軽に自動化をすることを考えるのであれば手元の道具をうまく使って効率化をすればそれは立派な自動化となります。
さいごに
自動化をして業務を効率化をするのは実はプログラムを作る上で大事なアルゴリズムとフローチャートを作る行為に似ています。
アルゴリズムは問題を解決するために必要な作業を考える動作、フローチャートは目的を達成するために必要な動作をどの順番で処理すればよいかというものになります。
無駄をなくし、できるところから自動化をし、必要な道具を揃える。
これらはすべてプログラミングに必要な要素になりますので、作業を自動化することを考えられるようになったら是非、プログラミングにも挑戦してみてください。